2013年6月25日火曜日

驚愕のテロ事件

これは、随分昔の事である。

最近それを思い出したのだ。

ある日、謎の蚕の繭のような物体が、マウスキー家の正面玄関の隣にある生垣から大量に発見された事が、この事件の始まりだった。

父マウスキーが、生垣の葉っぱを切って整えている時に、発見したらしい。

少なくとも、両手にいっぱい乗るほどの量が散乱していたので、軽いパニックにマウスキー家は見舞われた。

一体、その物体は何なのかと、まずは謎の物体の検証から始まった。

そして、父マウスキーにより判明された驚くべき事実とは、その謎の繭のような物体は、ヘビの卵ではないか・・・・という事だった。

ヘビの卵が何故、マウスキー家の生垣から大量に見つかったのかと、益々謎に包まれてしまった。

当時、マウスキー家ではモルモットを飼っていたので、可愛いモルちゃんを狙いにやって来たヘビが、ついでに卵でも産み捨てていったのではないか、とか、途方もない推理までが挙がった。

マウスキー家の生垣は、フェンスと一体型になっており、その下はコンクリートで固められている。

つまり、普通に考えても、ヘビが卵を産みたくなるような場所ではないし、とても有り得ないのだ。
だから、ヘビ自身によって産み捨てられたという推理は、当てはまらなかった。

次に考えられることは、鳥とか、そういった生き物がヘビの卵を抱えており、思いがけない何かがあった為、思わず落としてしまったのか何かしたのではないか、という事だった。

だが、これも有り得ない。人間の両手いっぱいに乗るほどの数ある卵を、どうやって鳥やイタチが抱えられるのであろうか。

と、いう事は、この推理もボツである。

事件は迷宮入りするのではないかと、絶望に暮れていたその時だった。

父マウスキーがインスピレーションを受けたように、この事件を解決したのだ。

父マウスキー曰く、この大量のヘビの卵は、人為的に投げ込まれたものだ、という事だった。

マウスキー家に日頃から恨みのある人間か何かが、ヘビの卵をこれでもかと何個も、何個も、恨みの数だけ沢山投げ込んだのであろう。
これは、ヘビの卵を使ったテロに違いない。

この発言により、マウスキー家は恐ろしいほど震え上がった。

一体、誰がそのような恐ろしい事をしたのか、何の得があって、マウスキー家にこれほど卑劣な攻撃をしたのか・・・・

考えれば、考えるほど、人智を超えた恐ろしい人物像が浮かび上がり、マウスキーは激昂した。
怒りは上昇し、仮にヘビ本体が投げ込まれても、そんなヘビは煮え湯をかけて退散させてやる!

こんな風に、テロへの反屈精神は強くなり、卵は全てゴミ箱に捨ててしまい、しばらくの日数は、本当にヘビが投げ込まれるのではないかと、戦々恐々しながら過ごしたものである。


そして、いつしか忘れてしまった。

何故こんな忘れきっていた事件を思い出したかと思えば、先日紹介した庭に排便事件により、記憶回路が完全に開通したに違いない。


ヘビの卵を投げ込まれたり、排便をされたり、何故マウスキーの家は不運続きなのだろう・・・風水学的に、何か卵を投げ込みたくなるとか、排便をしたくなる気が充満しているのであろうか・・・

今後、これからも、このような恐ろしい事件が続くようであれば、何らかの対処をやむを得なくしなければならなくなるであろう・・・・

2013年6月15日土曜日

信号待ちの恐怖

とりとり市には恐怖と呼ばれる名所がある。

その一つが、マウスキーがいつも合唱の会の練習で通っている、とりとり市の文化センター前にある押しボタン式信号だ。

この信号を待っている時、不思議と視線を感じるのだ。

マウスキーだけではない。

この視線に気付いた者は、忌まわしい恐怖を祓う事が出来ず、信号が青になるのをひたすら待たなければならないのである。

少し視線を横に流してみると、必ず恐怖の主と目が合う事だろう。

その主とは、これだ!


思わずゾッとし、信号無視をしてでもいいから、その場から逃げ出したくなる、この恐怖!

驚くべき正体を明かすため、その全体像をご紹介しよう。


ババーン!!
一体これが何なのか、いつからそこにあるのかは分からないが、随分と昔からここに立って、信号待ちの人々を長年見守ってきた模様である。

拡大して見ると、看板の下の方に「とりとりギフトセン・・・」と書かれている。予測するに「とりとりギフトセンター」だと思う。
そのギフトセンターから派遣されて何十年も彼はそこに静かに立ち続けているのか、どうなのかは定かではなく、マウスキーもそこまで興味があるわけではないので、彼の正体を完全に明かすことは出来ない。

ただ、彼は人々の心に恐怖を与えているとも知らず、これからも撤去されるまでは、そこに立ち続け、信号待ちの人を見守り続けるのであろう。

夜に彼に出くわすと、信じられない恐怖なのだが・・・

これが、とりとり市の恐怖スポットの一つだ。

とりとり市に立ち寄られる方がおられたら、是非とも彼に挨拶をしてから帰ってもらいたい。


2013年6月2日日曜日

うんち したのは だれよ!

と、いうタイトルの絵本は、マウスキーのお気に入りの絵本である。

この絵本は、チェコだったかの絵本で、ある日、もぐら君が何者かによって頭の上にうんちをされ、犯人を突き止めていくという内容のものだ。

マウスキーはこの絵本が大好きで大好きで、先日本屋で飛び出す絵本としてリニューアルされているのを見つけると、思わず欲しくなったほどである。

だが、こんな事を叫びたくなるような事件が現実に起こったら、どうだろうか? 果たして?

とてもじゃないが、笑ってなどいられないだろう。

実は、正しくそんな事を思わず叫び、犯人は何者なのかをマウスキー家で推測するような事態が起こったのである。

謎のうんちが、マウスキー家の庭に置き去りにされていた事から、この事件は始まった。

犬のうんち、猫のうんち、様々な疑惑が上がったが、嗅覚に敏感な父は、これは人間のものだと断定した。
とある人間が、トイレに行きたいが、国道沿いにあるマウスキー家の周辺には公衆トイレもなく、いたし方なく庭に侵入、そして排泄したに違いないというのである。

マウスキー家の人間は激昂した。

しかも、半分呆けた老婆か老爺に違いないと言うのである。つまり、犬のうんちや、猫のうんちとは思いがたい、決定的な悪臭と大きさをしていたという事だ。

そんな人間は、どう裁けばいいのかを話し合い、どんどん過激化していった。

マウスキーなら、排便をもよおし、前に足を一歩出すのも苦しい、我慢が出来ないとなった時、人の庭に入り込んで、体よく排泄して逃げようなどとは思わない。どんな死ぬほど恥ずかしい結果を招く事になろうとも、我慢の限界の限界まで耐え抜く所存だ。

だが、そんな人間の倫理観を無視し、マウスキー家の庭に排便を気軽にして立ち去った何者かが、確実に存在したのだ。犯罪ではないのか!?
警察に通報し、犯人を探して欲しい限りだ。
無期懲役として、どこか死ぬほど汚いトイレ掃除をさせるとか、何かそんな刑罰がそんな人間には相応しいに違いない。トイレに行きたくなると、必ず妨害に合う運命を背負い、更には下痢が止まらなくなる病にでもかかればいい。
そして、日々、毎日毎日排便の事だけを考え、一生の幕を閉じればいい。

この事件で、その日の半日間というもの、マウスキー家の人間は心が真っ黒に荒みきったものだ。

だが、人間に生まれてきた以上、最低限の倫理観は守って欲しい。
ちなみに、人間ではないにしろ、縄張りを侵害するのは戦争を仕掛けているも同然だ。


この事件、結局犯人も見つからず、真相も謎のままとなった。
ただ、マウスキー家には「うんち事件」として呼称されるようになり、今でも思い出すたびに不思議と心が真っ黒になってくるのである。