2017年3月1日水曜日

イタリア旅行記-その6「最初のレストラン編」

団体ツアーの解散の場所は、三越だった。

ここには快適な無料のトイレがあるので、困った時に利用できそうだと確認した。

さて、解散後は空腹を満たすため、レストランを探すところから始まった。

どんな場所で、何を食べるかという事が分からないマウスキー達は、うろうろとホテルに向かいながら歩いた。

そして、空腹が遂に我慢できなくなり、選んでいる予知はない、一刻も早く食べ物をお腹に入れようという事で、小ジャレた、如何にもイタリアンな店を選んだ。

店の中は、とてもこじんまりした空間だったが、イタリアらしい店だったので、一応は女子3人組の我々は満足して食事を注文する事にした。

こんな時、飛行機の中で懸命に勉強していたTomokoさんが力を発揮して、料理を注文してくれたため、難なく食べ物をゲットする事が出来た。

頼んだのは、パスタと、トマトとモッツァレラチーズのサラダである。

パスタとパン。

モッツァレラチーズが豪華である。

やっとの事でありつけた美味しいごはんだ。

一皿が多そうだったので、Tomokoさんが、分けて食べるので、3人分のお皿が欲しいという事をお店の人に言った。

すると、勿論持ってきてくれた。

このお店のおばさんは、思い描くようなイタリア人のおばさんで、とても恰幅が良く、意地悪そうな顔をしていて、とても意地が悪かった。

オーバーアクションで、お店の隅にいた男女4人組の若者に何かイタリア語で喋りながら、我々3人のためにパスタを皿に分けてくれたのである。

それだけなら親切な行為なのだが、店にいた4人組の男女は、パスタを分けているおばさんの話を聞くと、「ププーッ」と噴き出して笑い始めた。

何か、我々3人について失礼な事を、こいつ等は言ったに違いない・・・。

それからは、「いただきます」と、手を合わせて日本流に食べたり、普通に食べているだけでも、奥の4人組の男女が「ププーッ、ウキャキャ」と、笑いながらあからさまにコチラを向いて笑い続けていた。



我ら3人は、この4人組の笑い声をBGMに、食事を美味しく食べさせていただいた。

食べ終わった時、我らの胸に残ったのは、美味しかったという満足感に上乗せした怒りである。

こいつら・・日本に旅行に来た時に覚えてろ・・・

高慢なイタリア人め・・その鼻高々になった鼻にワサビをみっちり詰め込んで、鼻から火を噴かせてやる・・・

そんな思いでいっぱいだった。

食事が終了すると、お金を計算し、机の上に多めに置いた。

お釣りがあるのか、そこは分からなかったが、札の量が多いので、お釣りはあるんじゃないか、そう思っていた。

すると、どうだろう。

店の奥から出てきた店のおばさんが物凄い勢いで、我ら3人が机の上に置いたお札を「ガシッ!」と鷲掴みにすると、そのままさっさと店の奥に引っ込んでしまい、もう出てこなかったのである。

えー・・・全部チップですか・・・。

我々3人は呆然と見送ると、箸が落ちても笑いが止まらないらしい、イタリア人4人組の笑い声を背中に受けながら店を出た。

もしかすると、図体が大きいから大人だと思っていたけれど、中学生4人組だったのかもしれない、そう思う事にした。

さて、そんなつまらないイタリアの世知辛さを、いつまでも気にしておけるほど、我らに時間はなかった。

時間は1分、1秒たりとも無駄には出来ない。

食事を食べた後は、いったんホテルに戻る予定だ。

その前に、「骸骨寺」を見に行く目的もある。

それと、実は大きな野望のために、必ず手に入れなければならないものもあった。

それは、ローマ歌劇場で上演されているオペラ「トスカ」のチケットを三枚ゲットするという目的である。
しかも、この年の「トスカ」の演出は、かのフランコ・ゼッフィレッリ(「ロミオとジュリエット」とか、「じゃじゃ馬馴らし」の映画監督の人。)の演出であった!

絢爛豪華に違いない!!

こちらも、懸命にイタリア語を勉強してくれたTomokoさんのお陰で、難なくチケットをゲットする事が出来た。

ローマ歌劇場。
「トスカ」は最終日の夜に観に行く予定となった。

チケットを手に入れた我ら3人は、もはや征服者のような気持ちになり、自信満々に「骸骨寺」へと向かった。

「骸骨寺」は、思ったよりも怖くない場所だった。

たくさんある人骨を無駄遣いしないため、考え出された人骨アートという感じである。

本当に、あっちこっちに人骨による装飾がしてあった。

大きなものから、小さなものまで、全部人骨である。

天井にも人骨で工夫を凝らした装飾があるのだ。

ポストカードもあるのだが、見当たらないので、マウスキーのイラストで紹介しよう。

こんな感じ。
一面、人骨だらけ。

それでも、ちゃんと骨の形を考えながら工夫をしているところもあった。

何だかんだと充実した午前中を過ごした我ら3人は、午後からの計画を練り直すために、ホテル「キング」に戻った。

さぁ、ここからが強行ツアー本番である──。


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