真実の口に手を突っ込む事の他に、散髪をした後のオードリー・ヘップバーンがスペイン広場でジェラートを食べている映像も印象的だろう。
ローマに行ったら、とりあえずは、大体の人が「ローマの休日」のような事をしたいと憧れるに違いない。
そう、正に、マウスキーと、姉マウスキーと、Tomokoさんの、我ら3人組もそれに憧れていた人間であった。
ヘトヘトになり、鉛のように重たい足と、許容範囲を超えた記憶領域の狭間で、必死にスペイン広場へと向かった。
スペイン広場で、貰ったジェラート引換券を使い、ローマの休日な気分を味わいたい──ただ、それだけであった。
何も悪い事など一つした事のない我々が、何故そんなひどい目に遭ったのか、今も分からないのだが、本当に酷い結末となった。
なんと、スペイン広場は修復工事中だったのである──。
嘘だろ・・・はるばる日本からやって来たのに、補修工事なんて・・・・。
完全に修復工事の足場で、殆ど隠されている。 |
こんな悲しい事があっていいだろうか?
もはや、我々3人が「ローマの休日」を堪能する手段は、ジェラートしかなかった。
貰ったチケットというのが、このようなものである。
ふむふむ・・ローマのハート、スペイン広場にて、厳選された素材を用いたジェラート・・・これは大変期待出来るし、美味しそうである。
しかも、物価の高いユーロ圏で引換券を貰うなど、幸福の至りである。
しかも、この時点で20時をまわっていたのだが、営業時間は22時までと記入してあるので、まだまだ間に合う。
我ら3人は、最後の最後に賭けた楽しみ、ジェラートを引き換えるために、スペイン広場を所狭しと駆けずり回って、「バルカッチャ」という店を探し回った。
探しに探し・・・とうとう、我ら3人を「絶望」という二文字が暖かく迎え入れてくれた。
そう、ジェラートの店「バルカッチャ」を、見つける事が出来なかったのだ。
もしかすると、休業していたのかもしれない。
よくよく券を見てみると、「※不定期に臨時休業する事があります」と、書いてあるではないか・・・。
まさか、今、このタイミングで不定期の臨時休業に入られたというのだろうか・・・。
そう、我々には、大人しくホテル「キング」に戻る事しか残されていなかったのである。
ちなみに、チケットの写真は、今現在の御姿である。
チケットの右下に「見つけられなかった・・・」と、薄く、小さな文字が書いてあるのが分かるだろう。
それほどまでに、悔しい思い出だという事を明記しておく。
さて、疲れ切ってホテルに戻ると、もうマウスキーも姉マウスキーも寝る事にした。
しかし、Tomokoさんは違った。
書き損じていたが、サンタンジェロ城に向かっている最中に、どこかの教会の前で「今夜コンサートがあるから、来てください」と、パンフレットを貰っていたのである。
ロココなドレスやコートを着た人たちのもので、声楽コンサートだった。
Tomokoさんも歌を学んでいた身であるため、是非、現地の人のコンサートを聴きたいと思ったらしい。
そこで、ホテルに到着後、パンテオンに入れず、スペイン広場の景観悪く、ジェラートもゲット出来なかったと事に打ちひしがれているマウスキー姉妹を残し、Tomokoさんは一人でコンサートを聴きに行ったのであった。
ちなみに、彼女がホテルに戻った頃、マウスキーと姉マウスキーは二人そろって夢の中で、いつ戻ったのかすら記憶にない。
だが、どうやらTomokoさんも限界値をはるかに超えていたようである。
コンサートを聴きに行ったものの、疲れてフラフラだったようだ。
そんな様子が分かる写真がこちら。
コンサート前の様子を撮影したのだろう。 この朦朧とした雰囲気が、もはや彼女の精神状態に違いない。 |
さて、こんな風に精神的、身体的に疲労しきった我々3人のイタリア観光1日目が、過ぎて行った。
観光2日目の計画は、半日ツアーで未消化となった場所に行きつつ、他の行きたい場所にも行くという、時間と自分の限界に挑戦するというものであった。
つづく。
⇒「その10-観光2日目の朝編」
⇒「その10-観光2日目の朝編」
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