2017年3月22日水曜日

イタリア旅行記-その28「バルベリーニ宮殿編」

バルベリーニ宮殿内部に入るには、一番上の階まで、階段で上がって行くしかなかった。

途中、何度か立ち止まり、「まだゴールが見えない・・・」と、くじけそうになりながらも、我ら三人はカラヴァッジョやベルニーニやリッピのために、黙々と登り続けた。

もはや、無言で階段をひたすら上がる。
見たところ、スロープに近い階段だった。

どのタイミングで出そうか迷ったライオンの写真。
目が恐いです・・・。

口数が完全に減った時、やっとの事で入口のドアに到着した。

まるで事務所のような、地味な入口だったような気がする。

ドアを開けると、親切でフレンドリーなおじさんが受付をしていた。

当時の入場券。
そう、この名画に出会うために、我らはここまで来たのだ。

チケットを購入した後、その、フレンドリーな受付のおじさんが、ガイドをしてくれると言い出したのである。

何て親切な人なんだろう!

ちなみに、そのおじさんは、英語で説明してくれたのだが、大した英語力ではないマウスキーにまで分かりやすい言葉で教えてくれた。

緑や赤や青の色には意味があり、象徴しているものがある、とか。

そして、何の流れだったかは忘れたが、
おじさんが「では、サンタンジェロ城は見ました?」と、聞いてきた。

我ら三人は、どや顔で「初日に行きました!」と返答。

すると、おじさんは「素晴らしい」と褒めてくれたのである。

いやー、現地の人に褒められると、とても嬉しいものだ。

もの凄くいい人だった。
褒めてくれたので、尚更である。

さて、おじさんのガイドは、入口周辺の絵画までだったらしく、その後は「ご自由にゆっくりどうぞ」という感じだった。

では、ゆっくり鑑賞するか・・・と、我々三人は、再び各々のペースで絵画を鑑賞しはじめた。

しかし、さすがに何と言っても、疲れていた。

通路を抜けると、とても広い広間に到達する。

その部屋の中央には、長椅子が設置してあり、人々はその椅子に寝そべって天井画を鑑賞するようになっていた。

では、我ら三人もそうしてみよう。

そうしたが最後であった。

そもそも日々の疲れがたまっていた為か、寝心地の良い椅子に寝そべったら、もう動けなくなったのだ。

天井画が素晴らしすぎたという事もあるのだが、本当に十数分はその場に寝そべったり座ったりしたまま、ピクリとも動けなくなった。

・・・いい加減、動くべきか・・・そう気づいて、やっとの事で起き上がり、再び絵画鑑賞に戻った。

修復中の物も、出張中の物もなく、見たかった絵画を観る事が出来て、眼福の至りであった。

帰り際に、例のガイドをしてくれたおじさんに軽い挨拶を交わし、我らはバルベリーニ宮殿を後にした。

午前中までは、イタリア人はみんな高慢知己だと思っていたのだが、どうだろう?

こんなにいい人もいるのだ。

本当に詳しい人というのは、このように親切丁寧に教えてくれるばかりか、拙いながらも勉強している人に対して、実に暖かい目で見てくれるものである。

そんな風に感動している道すがら、ちょっと常々気になっていたものを撮影しておく事にした。

ローマの信号。

こんなアングルからも撮影。

何が気になったかというと、信号の赤が、緑と黄色の二倍の大きさをしていた事である。

つまり、どういう事かというと、

止まれ
注意
進め

と、いうインパクトである。

そんなに信号無視が多いのか?と、思ってしまう信号機であった。

そんな事に感心しながら、次に向かった場所は、スザンナ教会である。

はい、覚えてません。

バルベリーニ宮殿で全ての余力を出し切ってしまったため、スザンナ教会の記憶が一切ないのである。

でも、一応は行っていたのは確かである。

到着したという証拠写真。

「我、ここに居たりけり」という証拠写真もある。

しかし、その時は確実に「欲をかいて詰め込んだけど、やっぱり来て良かった」と、感動をしたとは思う。
覚えていないだけで・・・

さて、ここで観光はとうとう終了という事になった。

さすがに、夜は「トスカ」を観劇しなければならないので、鋭気を養っておかなければならない。

そんなわけで、我らはホテル「キング」に戻るために、Uターンをし始めたのだが・・・

再び迷子。
Tomokoさんが一生懸命に道を聞いてくれていた。

その時、人見知りのマウスキーは、ただでさえ知らない人は苦手な挙句に外国人なので、離れで警戒して様子をこのように見ていた。

人が一生懸命に道を聞いてくれている間・・・
オレンジの木を眺めたりもした。

オレンジの木をズームにしてみたり・・・

構図を変えてオレンジの木を撮ってみたり・・・

そうこうしている間に、道が分かったらしい。

我々は一旦、テルミニ駅に戻る事にして、そちらの道順を歩き始めた。

しかし、この時からマウスキーは何か不穏なものを腹部に感じていた・・・

トイレに行きたい・・・が、トイレがどこにもない・・・

つづく。

0 件のコメント:

コメントを投稿