すると、Tomokoさんは、それほどの時間はないし、夜は「タルタルーガ」というミュージカルを観劇する予定があるので、ジョットを制覇するのは無理だと反対意見であった。
姉マウスキーは、ちょっとだけ登り、無理そうならリタイアすればいい、という考えを提示した。
そんな、それぞれの思惑を抱えながら、とうとうドゥオモの前に我々は戻ってきた。
ドゥオモの入り口にて。 この、カメラにおさまりきらない巨大さを見よ! |
拡大図。 自分たちは偉いという言葉を背負ったひとたち。 誰だろう? |
そして、外観を堪能した後、我々は中へ入ろうとした。
その時、再び信じられないものを目にしたのである。
「閉館」
嘘だろ!?
しかも、曜日ではなく、再び時間オーバーで閉館してしまったらしい。
どうやら、ウフィッツィ美術館で名画に囲まれ、極楽浄土ここにありと舞い上がり、かなりの時間をそこに消費してしまっていたのだろう。
過ぎた時間は、戻らない。
完全に、パンテオンの時と同じ過ちをしてしまったらしい。
せめて、入口の前での記念写真。 だが、この時の顔は決して笑顔ではなく、残念そうな顔で写っていた。 |
もはや、体力があっても登る事の出来ないジョットを、ただ見る事しかできなくなった我々3人。
ここまで来る道中、登る、登らないという話題で盛り上がっていた事が、突然虚しく感じた。
その時である。
突然、不審なお爺さんが、「日本人?」と、言いながら現れた。
突然、嬉しげに現れた謎のお爺さん。 その名はアントニオ。 |
一見、いい人そうなこのお爺さん。
一体何が目的かは分からないが、「日本語喋れる!」と、突然語り掛けてきたのである。
そして、再び「トーキョー、キョート」と、呪文のように二都市の名前を連発。
完全に我々三人の心は凍り付いたと言っても過言ではない。
ただでさえドゥオモに入れないのに、聞きたくもない二都市の名前を再び聞かされなければならなかったのだ。
更に気になったのは、こいつはいい爺さんに見せかけて、本当はスリなんじゃないか、ということだ。
話しかけられた時の、Tomokoさんと姉マウスキー。 笑顔で鞄を死守している。 |
そして、アントニオ爺さんは、物凄いテンションで謎の日本語単語を喋り、まくしたて、去って行ったのだった。
いいお爺さんなんだろうけど、落ち込みモードの時にハイテンションで「東京と京都」と叫んでこられては、ただの迷惑である。
アントニオ爺さんが去って行ったあと、我々三人はやっと安心してドゥオモの外観を眺めるという観光を行った。
そして、思う存分に写真を撮った後、我々が出来る事と言えば、その場を立ち去る以外にはなかったのである。
移動中。 ヴェルディ劇場を見かけ、テンションが上がったTomokoさん。 早速記念撮影をしていた。 |
そして、我々は再びフィレンツェの街を歩き出した。 |
つづく。
⇒「その22-さらばフィレンツェ編」
⇒「その22-さらばフィレンツェ編」
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