2017年3月26日日曜日

怒りと謎に包まれた映画「ピアノレッスン」。

中学生の頃に観た映画「ピアノレッスン」について、姉マウスキーと会話をする機会が最近あった。

映画をビデオで借りて見たのは中学生の頃だったのだが、結局さっぱり意味が分からなかった。

それでいて、かなり怒りながら見ていたので、原作を読もうという気にすらならなかったのである。

ストーリーはうろ覚えなのだが、思い出しながら書いてみる事にする。

時代は、19世紀とか、そのあたりの時代だったと思う。

主人公の女の人には、年の離れた亭主と、娘がいて、三人家族である。

主人公は、とてもピアノが大好きで、三食の飯よりピアノ、というほど、ピアノ中毒だった。

あまりにもピアノばっかり弾いているので、亭主がピアノを売り飛ばすとか、確かそんな事をしてしまって、主人公はこの亭主に相当な恨みを抱いていたと思う。

さて、ここからが問題の展開になっていく。

ピアノへの禁断症状が現れた主人公は、机とかに鍵盤模様を削ったりみたいな事をしてでも、ピアノを弾こうとするのである。

そんな厳しい状況の時、主人公のピアノを買い取った男が登場。

こいつが、相当の難癖のあるやつで、基本的な怒りの原因は、このキャラクターにあったと言っても過言ではない。

主人公は、この男のところへ行き、「ピアノを弾きたい」と所望すると、この男は「弾かせてやってもいいけど、俺は自由に邪魔をするぜ」みたいな事を言い放つ。

それでもピアノが弾きたい主人公は、それでも承諾してピアノを弾くのだ。

マウスキーは、このしょーもなさそうな男が、彼女の演奏を聴き、「自分もピアノが弾けるようになりたい!」と、ピアノに目覚め、ピアノを指導してもらう話なのだろうと確信して見ていた。

──なるほど。だからタイトルが「ピアノレッスン」なのか。

しかし、見れば見るほどに、不可解な状況になる。

なんと、この男は、ピアノを弾いている主人公の邪魔しか本当にしないのだ。

ペダルを踏んでいたら、下から足を突っついて、大騒ぎしながら床をバンバン叩いたりして演奏を中断させるとくる。

なんなんだ、こいつ。ただのかまってちゃんか?

謎は深まるのだが、とにかくピアノレッスンどころか、ひたすら主人公のピアノ演奏を邪魔する話になりつつあった。

そして、かなり怒りを堪えながら見ていたところ、この男は「ジャーン」とばかりにマッパになって主人公の前に現れ、「ピアノが欲しければ、鍵盤の数だけ俺の相手をしてもらうぜ」と、完全にセクハラに走っていく。

主人公も主人公で、ピアノ欲しさにその要求に堪えるのである。

そして、そんな契約の話を亭主に知られてしまい、怒り狂った亭主は、主人公の小指を斧で切り落としてしまう。

ところが、主人公のピアノへの熱意はそこで終わらず、彼女は義指を取り付けて、再びピアノを弾くようになるのである。

そんな彼女の傍らには、お前が一番問題だった駄々っ子だろ・・・という、例の男の姿があった。

よく分からないが、二人はいい仲になったらしい。

マウスキーは、こんな大人の色恋沙汰に振り回されて、娘が可哀想だと思ったのだが、娘も嬉しげに飛んだり跳ねたりしていた。

ジ・エンド。

なんだそれ、意味が完全に分からない。

ピアノの練習を邪魔くる奴を、どうして好きになるのか、そこから理解が出来ないのである。

でも、大人になった今では、何となく言いたい事の予測はつけてみる事が出来るようになった。

ピアノを弾くために通っている間に、いい仲になったとか、そういう事なんだろうか・・とか。

でも、結局今でも本当の本当に理解出来ているのかと言われたら・・・すみません、分からないです。

どうしても、ピアノの練習を邪魔し続けた男と、どんな条件を出されてもピアノを弾く事がやめられないピアノ中毒の主人公が、無理矢理な感じでいい仲になる話、そうとしか思えない。

腹立たしいと言ったらない。だから原作は読んでいない。

もしも、「実は映画ではカットされていたが、原作の中には真面目にピアノレッスンしているシーンがある」と、いうような新事実を知ったら読むかもしれないのだが・・・多分、ないだろう。

子供の頃に意味が分からなかったものが、大人になって分かるという事はないという事を痛感させてくれた作品である。

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