2017年2月26日日曜日

イタリア旅行記-その3「ローマに到着編」

すっかりヘトヘトに疲れ切っていた我ら三人がローマに到着したのは、すっかり夜遅くなった頃で、多分21か、22時か、とにかくそんな時間だ。

どうやってホテルまでたどり着いたのか記憶に殆どないが、JTBの女の人が迎えに来ていたので、スムーズに送り届けてくれたのだと思う。

そんな疲れ切っていたマウスキーにとって、長旅の末にやっとの事でローマに着いたという感動は、イマイチピンと来なかった。

ただ、小狭い道を物凄く乱暴で猛スピードで走りまわる送迎車だった事は深く覚えている。

そして、実感した。

ああ、確かにこれは日本ではない。これがイタリアか、と。

そんな危険な思いを無駄に味わった後、やっとホテルに到着した。

後日撮影。
三ツ星ホテルのキング。

そして、ローマの感動は明日に回して、時差や体力的な事でくたびれきっていた我ら三人は、とりあえずはベッドで寝たいと思っていた。

ところが、である。

部屋に戻って寝る前に、まずはJTBの担当の女の人から、説明を聞かなければならなかった。

確かに、団体ツアーではなかったので、話を聞くのは必要だと思い、ソファに座って話を聞く事にした。

まず、話の内容は、移動手段の事や、どういう予定を組んでいるかの確認などであった。

治安が日本ほどいいわけではないので、その点の注意事項もあったであろう。

しかし、何よりも口数が多かったのは、「あなた達みたいな若い女の子が、買い物に来るのは多いこと」みたいな事だった。

Tomokoさんはすかさず、「観光目的で、買い物はあまり予定がない」と言ったのだが、JTBの女を止める事は出来なかった。

「買い物でカード払いが出来ない場所があるから、気をつけて。あなた達みたいな若い日本人の女の子たちが買い物に来たら、どうせスリにあうわよ」

誰だ、こんな見も知らない人間に呪いの言葉を投げつける悪漢を寄越したのは。

買い物の説明にプラスして、何だか物凄く嫌な言葉をつけてきたのだ。

しかし、疲れて何の反応も出来ないマウスキー達に、このJTB女は更に買い物オンリーの注意事項と説明を続けてきた。

嘘だろ・・こんな22時過ぎてまで、予定のない事の話なんか聞きたくない・・・。

そんな悲しみといら立ちでいっぱいだった瞬間、JTBの女は少し話題を切り替えた。

「旅行の予定は? ずっとローマ?」と、いうような事を聞いてきた。

Tomokoさんが「22日はフィレンツェに行く予定です」と、答えた。

JTBの女は、うん、うん、と、全てを見通したかのように頷いて続けた。

「ポンテ・ヴェッキオ橋のあたりのお店で買い物する時は、高額のものだったら、〇〇ユーロから税がかかるから・・・云々。カードで買える店は・・・云々」

誰も買い物に行くなんて言ってはいないし、宝石買う金のゆとりがありそうに見えると言うのか!?

もう、JTBの女を止める事は、我ら三人にはできなかった。

一体、どのぐらい買い物についての注意事項を聞いたであろうか。

気が遠くなって、全てを諦めかけた、その時、やっとの事でJTB女は資料を片付けながら話を終えた。

買い物についての知識を、全て出し切ったんだな・・・と、マウスキー達は仏のような心で受け入れ、やっと部屋で休める喜びを感じる事が出来た。

しかし、時計を見た時、確か22時30前か、そのぐらいだったと記憶しているが、23時をまわっている事に気が付いた。

もはや、マウスキー達の怒りは、とどまるところを知らなかった。

なんなんだ、あのJTBの女は!

買い物の予定はないと言っているだろうが!!



何故、ローマに到着して早々に、こんな悪意ある嫌味に悶絶しなければならないのだろうか?

そして、マウスキーは心に決めた。

絶対スリなどに合わず、「スリってなんのことですか?」と言い、あの女を見返してやろう、と。

ホテルの部屋に到着し、明日の用意をし始めたマウスキーは、念入りに持ち金を分散し、服やカバンなどの、あらゆるところに隠し、偽財布まで作るという細工をした。

これで、財布を盗られても、何も痛い事はない。

安心しきり、そしてやっとの事でベッドで眠る幸せを感じる事が出来た。

いよいよ、翌日からは予定していた通りの強行ツアーが始まる。

部屋の窓辺はこんな感じだった。

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