結構前の話である。
マウスキーは、「窓」という題名のオペラを上演する時、またまた有り難い事に合唱参加で声をかけていただいた事がある。
この時は、先日書いた記事のような恐ろしい事は何一つなかった。
↓参照↓
「魔笛の恐怖」全5話
http://mouskydiary.blogspot.jp/2017/02/blog-post_18.html
この「窓」は、普通に合唱として楽しく参加していたと思う。
そう、衝撃の出来事は、本番当日に起こったのだ。
特に何の問題もなく、お昼休憩を過ごしていたマウスキーは、おやつが食べたいという衝動に駆られていた。
ホールの近くにはファミマがあったので、休憩の間にそこへ行き、おやつを買おうと決意したのである。
そんな決意の旨をソリストで友人のTさんと、ソリストのN先生に話していたところ、指揮者の先生もファミマに用があるらしいから、案内してあげて欲しいと頼まれたのだ。
指揮者の先生は県外から来られた方だったので、ファミマの場所が分からなくても仕方がない。
快く承諾したマウスキーに、N先生は金一封を託して、「指揮者の先生には、ここから買って欲しい。それと、欲しいものがあったら、買ってきなさい」──と。
重要な任務ではあったものの、おやつを買ってもらえると思うと、足に羽が生えたように軽やかになるのが不思議である。
さて、人見知りのマウスキーは、頑張って会話の糸口を指揮者先生の間に見つけようと努力して、天気の話なんかをしたりしながらファミマへと向かった。
そして、いざ到着すると、指揮者先生はファミマでデザートを購入しようとしていたので、急いでマウスキーは「N先生が、指揮者先生にお金は出させてはいけないと言っているので、ここは買わせてください」と、素早く阻止した。
すると、指揮者先生は柔らかくその申し出を拒み、こう言った。
「大丈夫です。僕は僕のドルチェを買うので、マウスキーさんはご自分のドルチェを買ってください」──と。
ドルチェだと!!!
デザートの事に違いない。
だが、凡庸なマウスキーの頭では、おしゃれな言い方にしようと頑張っても、「スイーツ」と英語で言うので精一杯だと言うのに、指揮者先生はそれを数十段も飛び越えて「ドルチェ」と言ったのだ。
ファミマのデザートを先生が「ドルチェ」と呼んだ途端に、不思議とファミマにヨーロッパの風が吹いた気がした。
この衝撃の記憶は、なかなか消せるものではない。
だが、言葉というのは大事なものだ。
お洒落な生活は、言葉1つからでも始める事が出来るのだ。
我が家の愛猫ジャッキーにあてはめてみても分かる。
1.「うちのジャッキーは、おやつが大好き」
2.「うちのジャッキーは、スイーツが大好き」
3.「うちのジャッキーは、ドルチェが大好き」
さて、一番お洒落なのはどれだ?
言わずもがな。
三番だ!!!
そういうわけで、スイーツなどと言っていては時代遅れも甚だしい。
お洒落にしたいなら「ドルチェ」に限る。
指揮者先生は、ちなみにとてもいい人だった。
名前は申し訳ないのだが思い出せなくて、今でも「ドルチェの指揮者先生」と思い出しているのだが、とてもいい思い出となった。
さて、皆さんも勇気を出して、人前でスラリと「ドルチェを食べませんか?」とか言って、数十段上のお洒落人間を目指してみないだろうか?
マウスキーはちなみに遠慮する。
田舎者ゆえ、恥ずかしいので。
2017年2月23日木曜日
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