これは、随分昔の事である。
最近それを思い出したのだ。
ある日、謎の蚕の繭のような物体が、マウスキー家の正面玄関の隣にある生垣から大量に発見された事が、この事件の始まりだった。
父マウスキーが、生垣の葉っぱを切って整えている時に、発見したらしい。
少なくとも、両手にいっぱい乗るほどの量が散乱していたので、軽いパニックにマウスキー家は見舞われた。
一体、その物体は何なのかと、まずは謎の物体の検証から始まった。
そして、父マウスキーにより判明された驚くべき事実とは、その謎の繭のような物体は、ヘビの卵ではないか・・・・という事だった。
ヘビの卵が何故、マウスキー家の生垣から大量に見つかったのかと、益々謎に包まれてしまった。
当時、マウスキー家ではモルモットを飼っていたので、可愛いモルちゃんを狙いにやって来たヘビが、ついでに卵でも産み捨てていったのではないか、とか、途方もない推理までが挙がった。
マウスキー家の生垣は、フェンスと一体型になっており、その下はコンクリートで固められている。
つまり、普通に考えても、ヘビが卵を産みたくなるような場所ではないし、とても有り得ないのだ。
だから、ヘビ自身によって産み捨てられたという推理は、当てはまらなかった。
次に考えられることは、鳥とか、そういった生き物がヘビの卵を抱えており、思いがけない何かがあった為、思わず落としてしまったのか何かしたのではないか、という事だった。
だが、これも有り得ない。人間の両手いっぱいに乗るほどの数ある卵を、どうやって鳥やイタチが抱えられるのであろうか。
と、いう事は、この推理もボツである。
事件は迷宮入りするのではないかと、絶望に暮れていたその時だった。
父マウスキーがインスピレーションを受けたように、この事件を解決したのだ。
父マウスキー曰く、この大量のヘビの卵は、人為的に投げ込まれたものだ、という事だった。
マウスキー家に日頃から恨みのある人間か何かが、ヘビの卵をこれでもかと何個も、何個も、恨みの数だけ沢山投げ込んだのであろう。
これは、ヘビの卵を使ったテロに違いない。
この発言により、マウスキー家は恐ろしいほど震え上がった。
一体、誰がそのような恐ろしい事をしたのか、何の得があって、マウスキー家にこれほど卑劣な攻撃をしたのか・・・・
考えれば、考えるほど、人智を超えた恐ろしい人物像が浮かび上がり、マウスキーは激昂した。
怒りは上昇し、仮にヘビ本体が投げ込まれても、そんなヘビは煮え湯をかけて退散させてやる!
こんな風に、テロへの反屈精神は強くなり、卵は全てゴミ箱に捨ててしまい、しばらくの日数は、本当にヘビが投げ込まれるのではないかと、戦々恐々しながら過ごしたものである。
そして、いつしか忘れてしまった。
何故こんな忘れきっていた事件を思い出したかと思えば、先日紹介した庭に排便事件により、記憶回路が完全に開通したに違いない。
ヘビの卵を投げ込まれたり、排便をされたり、何故マウスキーの家は不運続きなのだろう・・・風水学的に、何か卵を投げ込みたくなるとか、排便をしたくなる気が充満しているのであろうか・・・
今後、これからも、このような恐ろしい事件が続くようであれば、何らかの対処をやむを得なくしなければならなくなるであろう・・・・
2013年6月25日火曜日
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