最近、マウスキーは新ブログを始めた。
そのブログのタイトルも、そのまま「マウスキーの映画鑑賞日記」という。(面倒くさくなって、もうやめました)。
何故そんなブログをわざわざ始めたかと言うと、今まで沢山の映画を観たし、勿体ないから何かの形で私的な記録を残したいという、ある種のコレクター精神からである。
そこで、本日は「ハムレット」を扱った感想文を書いていた。
それが悪夢の夜を思い出す引き金となったわけである。
あれは、マウスキーがまだ中学生の頃だった。
マウスキーは当時流行し始めていた不登校生という奴で、毎日毎日ゴロゴロと映画を観たら、本を読み、パソコンをする、そんなレベルの低い生活を過ごしていた。
そんなある日、父マウスキーが出張、母マウスキーはとりとり市に用事で一泊する事になった(この頃、マウスキー達は他県に住んでいたのだ)。
一晩はマウスキーと姉マウスキーの天下となった。
そこで2人で密かに開催したビッグ・イベント、それが「ハムレット鑑賞会」である。
当時住んでいたマウスキー家の家は、血の痕跡があったり、無数の釘、大量の蛆虫の塊が発見された気味の悪い家であった。
そんな如何にも出そうな家(本当に幽霊が居たらしい)で、「ハムレット」を観るなんて、実に素晴らしいイベントだと考えたのである。
しかも、ローレンス・オリヴィエの「ハムレット」と、メル・ギブソンの「ハムレット」の2作しか当時はなかったので、ちょうど新旧「ハムレット」映画を鑑賞することが出来る、という計画だった。
この素晴らしいイベントの為に、マウスキー達は上等な紅茶を用意し、お菓子も用意した。
そして、夜になるのを心待ちにして待ち、家中を真っ暗にして、雰囲気のある「ハムレット」を二作品楽しもうとしたのであった。
最初にローレンス・オリヴィエの「ハムレット」を暗闇で観ていたのだが、今回の企画は大成功だと当時のマウスキーズは思った。
観終わった後、次はメル・ギブソンの「ハムレット」を観始め、解釈の違いなんかも楽しんで観ていたりしたのだが、しばらくたって、マウスキー達は恐ろしい音を耳にしてしまった。
どこからともなく、「リーンリーン」という音が聞こえたのである。
時期としては真冬だったし、秋の虫が鳴いているとは到底考えられない。
最初は気にしないようにしていたのだが、夜中になれば、なるほど、虫の声は増えてきたのである。
恐怖は段々大きくなり、マウスキー達はハッとその声の主に気がついた。
声の主は、ゴキブリだ!
その事実に気付いた途端、マウスキー達は殆んどパニックになった。
家族が留守中だという事に気付いたゴキブリ達が、マウスキー達2人など敵ではないと大群を率いて家を占拠しようとしているに違いない!
そんな恐怖でいっぱいになり、もうハムレット鑑賞をするどころではなくなったマウスキー達は、急いでビデオテープを片付け、部屋を片付け、自室に退散していった。
結局、恐怖のあまり夜も殆んど眠れなかった。
寝ている間に、どれだけのゴキブリが仲間を呼んで集まり、居間を占拠しているのだろう・・・部屋中がゴキブリだらけになる事だって考えられる事だ。
そして、恐怖の一夜を越してからの翌朝。
特に何事もなく、ゴキブリが大量に現われた形跡もなかった。
マウスキー達も少し正気に戻っており、やはり、あのパニックはハムレット効果だったに違いないと悟ったのである。
真っ暗闇が変な想像力を掻き立てる原因にもなったし、ハムレットを観る時の集中力が心のゆとりをなくしたのだろう。
大体、ゴキブリが鳴いたりするものか。
そう思い、この一件はマウスキー達の中では解決していた。
最近の話だが、マウスキーの知人により、ゴキブリも鳴く種類がいるという話を聞いた。
忘れかけていた恐怖を一瞬思い出したような体験をさせてもらった。
そして、今日において「ハムレット」の映画についての事を思い出すと、自然とゴキブリと結びついてしまう、残念な結果まで招いてしまったのである。
こんなに好きな「ハムレット」が、おぞましいものと密接な関係になるとは・・・・
そもそも、両親が留守の時をいい事に、朝方まで映画を観て、好きなだけ飲み食いしようなどという不良の考えを起こしたのが間違いだったのだ。
そんな教訓にもなる思い出である。
2013年7月9日火曜日
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