2020年4月20日月曜日

アイリッシュ入門の旅・6 〜とにかく詰め込め、スパルタレッスン

最初に、レッスンで使用した楽譜がこちらである。


https://celtnofue.com/items/detail.html?id=527

内容は易しいながらに、参考音源などもあり、手応えのある一冊であったと思う。

しかし、元々がリコーダー出発であるマウスキー姉妹は、「楽譜は読めるんですね?」というhatao先生の質問に、「はい、読めます」と即答。

この楽譜は、色々と触ってみるくらいのものとなってしまった。

とりあえず、二重奏譜もあったので、一緒にhatao先生と一緒に演奏してみたりなどもして、それなりに楽しい時間を過ごした。

ちなみに、マウスキーはそつなくこなそうとしたくせに、楽譜と違う事を吹いてしまった挙げ句、hatao先生がフッと笑い「マウスキーさんのアレンジが良かったですね」と褒めていただいた箇所すら理解が出来なかったという醜態をさらしてしまった。

何を間違えたのかわからなかったのため、「あ、すみませんでした」とだけ答えた。

しかし、楽譜を読む事をおろそかにして違う音を吹くという事は、アイリッシュの世界では特に何も問題はなかったようである。

マウスキーの薄っぺらい謝罪もスルーされてしまった。

この小冊子が終わった後に使用した楽譜は、「地球の音色」というものである。

この楽譜は、今は廃盤となり手に入らないようだが、この時の楽譜よりも、ノウハウを詰め込んだ新しい楽譜が今は出ているという事だが、当時はこの楽譜しかなかったのだ。

この一冊の中に記入してある、アイリッシュ奏法のノウハウを、数時間の間に詰め込んでいかなければならないので、それこそ立ち止まる事なく急ピッチで修行を続けた。

まず最初は、アイリッシュ音楽の歴史を学ぶ事から始まった。

アイリッシュにおいての音階は平均律ではなく・・・云々。

バグパイプが元となっているため、奏法もバグパイプを模した奏法が用いられ・・・云々。
(この時、hatao先生がバグパイプの演奏をして見本も見せてくれた)

そして、何より少し衝撃を受けた話は、音楽理論についての話であった。

「ハーモニー、モノフォニーがありますが、アイリッシュはどちらでもなく、ヘテロフォニーです」

ヘテロフォニーとは、大勢で同じメロディーを自分の好きなように演奏するのだそうだ。

なんだそれ、楽しそうじゃないか!

そして、そんな楽しい話から、だんだんと実践的な奏法の話になってきた。

基本的な奏法は、カット、タップ、ロール、スライドといったものがあり、それを自分なりのセンスが組み合わせるのだという。

通常のレッスンであれば、それらの技術の精度を上げるべく練習なんかも入ってくるのだろうが、一日特急レッスンとなると、そんな精度をあげる時間などはない。

兎にも角にも「やってみましょう」とhatao先生の穏やかな言葉を合図として、楽曲を演奏しなければならないのである。

これが思った以上に難しい。

最初からそんなにすんなり出来るわけがない。

hatao先生に「ここはこんな風にしましょう」と指定してもらっても、精度が悪いカットやタップを入れるので精一杯である。

ロールってタラリラリッとくるっと回る、ピアノでお馴染みのあれとは違うのか?

こんなやつ


基本的には、カットとタップを組み合わせたものがロールとなるらしいが・・・上に上がって下に下がるのは同じように思えるのだが・・・違うのか?

その奏法の話をしている時に、そんな疑問を持つだろうという事は、hatao先生にも分かっていたらしい。

「カット、タップ、ロールなどは装飾音ではないんですか? という質問もありますが、装飾音というのは、メロディーに華やかさを持たせるため等に用いられる装飾の事ですね。
アイリッシュ奏法ではバクパイプの奏法を模していると最初にも説明していました。バクパイプは音の切れ間がないため、音と音との間を区切るため、カット、タップ、ロールなどを用いて演奏するため、この場合は装飾音ではなく、演奏するための奏法となります」

実際はもっと丁寧できちんとした説明だったと思うが、大体こんな感じの説明をしていただいた。

なるほど、分かりやすい。

しかも、当然完全に自由気ままになんにでもカット、タップ、ロールを入れるわけではなく、それなりに定められたルールというものもあるようだ。

きっと、年間を通じて通うタイプのレッスンであれば、こういった事も確実になるまでレッスンしていただけたのだろうが・・・我々にある時間は、たったの数時間なので、このあたりも納得した後は、サラーっと流して、次の段階へと行かなければならないのである。

立ち止まる時間など、我々にはない!

と、意気込んでいたが、お昼の時間になったら、それなりに休憩を取らなければならない。

大変密度の高い1時間半ほどを過ごした後、やっとの事で休憩時間となった。


つづく。

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