「リコーダー・アンサンブルをされているんですよね。これは、ティン・ホイッスルのところをソプラノ・リコーダーで代用出来るし、ロー・ホイッスルのところをテナー・リコーダーで代用する事が出来ます。コードも書いてあるので、ピアノが出来る人や、ギターが出来る人に伴奏を頼めますよ」と、いう事だった。
そして、「僕がフルートでロー・ホイッスルのところをしますので、やってみましょう!」との事だった。
疲れているので嫌です、勘弁して下さいと、この時に誰が言えるだろうか。
せっかくのhatao先生とアンサンブル出来るチャンスなのだから、血を吐こうが死のうが、吹きたいのが笛吹きである。
疲れているので嫌です、勘弁して下さいと、この時に誰が言えるだろうか。
せっかくのhatao先生とアンサンブル出来るチャンスなのだから、血を吐こうが死のうが、吹きたいのが笛吹きである。
と、いうわけで、ギリギリだったけれども、挑戦してみる事にした。
とりあえず、何でも矢面に立つのが嫌いなマウスキーは、1ndは姉マウスキーに快く譲る事にした。
とりあえず、何でも矢面に立つのが嫌いなマウスキーは、1ndは姉マウスキーに快く譲る事にした。
そんなマウスキーの様子を見て、hatao先生は、「1ndも2ndもそんなに変わらないですよ」と真顔で言っていた。
その言葉は嘘ではなかった。
どのパートも、平等に矢面に立たなければならないように出来ている編曲だった。
しかも、初見大会にしてはレベルが高かった。
リコーダーに持ち替える事が出来るならまだしも、運指が危ういティン・ホイッスルでこのレベルを初見なんて鬼だった。
リコーダーに持ち替える事が出来るならまだしも、運指が危ういティン・ホイッスルでこのレベルを初見なんて鬼だった。
そんなわけで、言葉数が少なくなってきたマウスキー姉妹は、この曲の初見をもって、全てのエネルギーを使い果たしてしまったというわけである。。
疲れた・・・集中力の限界を見た。
一日集中レッスンとは、己の限界に最大限まで挑みをかける、そんなレッスンであった。
そして、レッスンというものが、どうして大体1時間くらいで割り当てられるのか、そういう理屈も理解が出来た。
集中力を保てる時間が、そのぐらいに違いない。
休憩時間も殆どなく、ぶっ通しで新しい事を覚えていくというのは、正気の沙汰ではない。
──甘く見ていた・・・こんなに疲れ切ったのに、マウスキー達はまたあの複雑な道を後戻りして、とりとり市の自宅まで帰らなければならないのだ。
そして、くたびれきったマウスキー達のために、hatao先生が最後にしてくれた事は「なにかリクエストはありますか?」という、仏のような一言であった。
一気にリフレッシュするマウスキー姉妹。
生演奏で聴きたいものはたくさんある。
ティン・ホイッスルを習いに来たくせに、聴きたいのはモンマルカピーパという笛の演奏か、柳の笛の演奏だった。
⬇参照、モンマルカピーパ⬇
https://www.youtube.com/watch?v=3YWomS8BBog
⬇参照、柳の笛⬇
https://www.youtube.com/watch?v=L3T0ynnuo0g
どちらかと言えば柳の笛がいい、と、マウスキーが思っていたところ、姉マウスキーが姉心からなのか、マウスキーの要望を優先してくれたのである。
「柳の笛の曲がいいです」
hatao先生は早速柳の笛を習い取り出して演奏してくれた。
その素晴らしい演奏を聴き、すっかり感動したマウスキーは心に決めた。
──柳の笛を買おう──と。
演奏が終わった後、hatao先生は「笛で遊んでも良いですよ」と言ってくれたが、夜も更けてきたし、疲れ切っているので、柳の笛が簡単に音出し可能か確認するだけで、マウスキー達はそれ以上の事は出来なかった。
そう、その疲労感と外の空の暗さが、hatao先生とのお別れのタイミングを物語っていたのである。
つづく。
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