クラアサさんの最初の印象は、コーヒーをブラックで飲むクラアサさん、というくらいだった。
特に、何か変わった事を思った事があったわけではない。
ただ、とても印象は良かった。
おじさん特有の、無条件に若い世代の人間を見下して来る上から目線なところもなく、どんな年齢の人に対しても丁寧な態度をとってくれた人だ。
そんなクラアサさんと、まともに会話をした時のは、もう閉店作業も終わり、マウスキーもMさんも帰り支度をしていた時であった。
クラアサさんと酒転童子さんが、いつものように何かの議論をしていていた時に、クラアサさんが、「わしは宗教の事がさっぱり分からんだが」と、言い出したのである。
宗教についての話題は、マウスキーが子供の頃から最も慣れ親しんだ話題の一つだったので、クラアサさんと会話をするきっかけともなった。
更に、姉マウスキーがその頃、「完全教祖マニュアル」という本を読んで、大層面白かったと言っていたたので、チョロッと読んだ事もあり、その本についての話などもして、宗教についての考察をあれこれと話す機会が出来たのであった。
それからというもの、完全にマウスキーはクラアサさんの事を認識して、親近感を持つようになったのだった。
そして、健康の話題になった時、いつもMさんがクラアサさんの話題を持ち出していたので、彼がどういう人物なのかを少しは知る事が出来た。
なんと、クラアサさんは設計事務所の社長である。
そして、PLATFORMのお米も、クラアサさんが作っているお米であった。
農業も、仕事の合間にしているそうなのだ。
更に、テニスに長けているらしく、何時間もぶっ通しでテニスをしたり、コーチをしたりなどをするそうだ。
それから、夜中は鮎釣りに出かけて、たくさん鮎を釣るらしい。
そして、どう見ても40代後半から50代という艶々した容姿にもかかわらず、もう60代半ばという年齢らしい。
つまり、酒転童子さんと同年代だという事だ。
もう一つ印象的なのは、会話をすると、かなりの高確率で、ちょいちょいと奥さんとのノロけ話を持ち出す事があった。
「家内が『どうせ私が死んだら、あなたは若い女性と結婚するんでしょ!』って言って怒るんですがー」とか、「前はテニスについて来てくれたんだけど、最近は疲れたと言ってついて来てくれなくなった…」などなど。
事あるごとに、隙を見ては奥さんとのノロけた話題を入れてくるのである。
そんなクラアサさんと仲良しの酒転童子さんは独身で、どうやら子供の頃からの仲良しらしい。
いい歳をしたおじさん二人が、店の閉店間際にやって来ては、少年のようにお互いの研究結果をしたり、勉強会で夢中になっていたのである。
そして、いつしか、そのおじさん二人の中に、Mさんも加わって、三人で閉店頃に盛り上がって、何かの話し合いを始め出したのもその頃だった。
どうやら、Mさんには2人のおじさんを巻き込んでの計画があったらしい。
だが、そんな計画について語る前に、まだ色々な人物について紹介しなければならない。
酒転童子さんと、クラアサさんのように、素晴らしいおじさんだけが常連客ではなかったという一例として、Hさんという人もいた。
そう、お店を語っていくには、仕方がないが彼の事も説明しなければならないだろう。
2018年10月11日木曜日
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