そう、ロッテワールドホテルは、郊外に位置する場所にあるホテルなので、市街地からは随分と離れた場所に建っていたのである。
つまり、ホテルから明洞に行くには、かなり移動しなければ難しい話だ。
そのため、地下鉄を利用するしか他に選択肢はない。
駅に移動する最中の街並み。 |
ところで、我々4人の中に語学に長けた人は、全くいなかった。
一応、韓国語は勉強していったのだが、数を数える事が出来て、ハングル語を読める程度で満足してしまったため、会話にまでは至らなかったのである。
挙げ句の果てに、父マウスキーが「韓国では大体日本語が通じるはずだ」と断言していたため、鵜呑みにしてしまっていたのだ。
そんな怪しい語学力を持つ我々は、この郊外の土地で、突然迷子になってしまった。
駅かと思って行ってみると、そこは店だったり・・・・完全に駅が見つからないという状況だ。
ここは、勇気を出して道を訪ねるしかない──。
そして、その役割を担ってくれたのが姉マウスキーであった。
姉マウスキーは、早速父マウスキーに言われた通り、「すみません、道を聞きたいんですけど!」と、どこからどう聞いても立派な日本語で、通りかかりの女性に話しかけた。
すると、どうだろう。
相手はぎょっとした顔で、欠片も聞き取れないという様子で、必死に首と手を振り振りその場を逃げてしまったのである。
ちょうど、外国人が日本人に「ハロー」と話しかけた時に、「ノー・イングリッシュ」と言いながら逃げ出す様子に類似していた。
日本語に困り顔で逃げていく人。 |
これは、どうやら日本語は通じないぞ・・・・と、すぐに気が付いた。
何故、韓国語会話をもっと真剣に勉強しなかったのだろう・・・ここで、再び語学に関する後悔が波のように押し寄せてきた。
しかし、郊外の道端でぐずぐずしていても、時間は過ぎていく一方である。
姉マウスキーは、今度は通りすがりの男性に、思い切って英語で「駅はどこですか?」と聞いてみる事にした。
すると、どうだろう!
相手の男性は「ステーション?」と聞き返してきて、大きく指をさしながら「こっちですよ」と、英語で駅が見える場所まで案内してくれたのである!!
ここで思い知った、世界共通語の威力。
そして、なんと親切な人だろう!
英語で全力で説明して道案内してくれた親切な人。 |
いきなり言語という壁にぶつかったものの、初日から親切な人に出会う事が出来たので、なかなか滑り出しは絶好調であった。
そして、我ら4人は無事に駅にたどり着いたのだが、マウスキーはその時、地下鉄で失態を犯す事になるとは、想像もしていなかった。
つづく。
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