と、いうのも、ホテルの部屋に戻った後、バスタイムでゆっくりした後、肝心な風呂の水を流す方法が分からなかったのである。
イメージする取っ手や、蛇口は何も存在せず、ボタンのような物が管についているだけだったのだ。
押してみてもビクもしないので、どうやらボタンでもなさそうでだった。
では、どうやって水を流せば良いのだ?
完全に分からなかったので、とうとうホテルのサービスカウンターに内線で電話をして聞いてみる事にした。
姉マウスキー「日本語は分かりますか?」
サービスカウンターの女の人「分かります」
なんと心強いのだろう、日本語が通じるだなんて!
そこで、安心した姉マウスキーは「お風呂の水の流し方が分からないんです」と、伝えた。
サービスカウンターの女の人は、ピンときた様子で、「分かりました、少々お待ちください」と答えてくれた。
すっかり安心しきった姉マウスキー。
ゆったりとくつろぎながら待っていたところ、しばらくしてサービスカウンターの女のひとが部屋へやって来た。
「お待たせしました」と、爽やかに言った彼女の手には、何故か水の入った二本のペットボトル。
何だと!? ペットボトル二本の水を使って、風呂の水をどうやって流すというのだ?
そんな驚きの状況であったが、そこは冷静な姉マウスキー。パニックになったり、取り乱す事はなく、「いや、水が欲しいわけじゃないんですけれど・・・」と、交渉を試みる事に。
どうやら、日本語がわかりますと言った彼女は、水の流し方が分からないと、水が欲しいという事を聞き間違えてたようなのである。
どういうわけでそういう事になるのかは分からないが、外国語を聞き取るのは至難の業なのだ! 仕方がない事だ!
そこで、姉マウスキーはそんなに信用していなかった韓国旅行のガイドブックを取り出し、ちょうど「水道が壊れていて水が流れない」と、言うような一文を日本語訛りの韓国語で伝える事にした。
これで割りと伝える事が出来たのだが、意思疎通が出来た決定打は・・・やはり英語だった。
姉マウスキーは水道を示し、英語で「これはどうやって使うんですか?」と聞いた。
サービスカウンターの女の人は(おばさんだったらしい)、「これの使い方?」と言い、「ストロング・プッシュ!」と、教えてくれたそうだ。
やっとの事で相手と心が通じたのはいいが、言葉の壁で紆余曲折した結果・・・ストロング・プッシュの問題だったとは・・・。
ボタンは、つまり、ボタンでしかなかったのである。
力任せに押すか、指先でちょいと押すかの問題で、水を持ってきてもらったり、ガイドブックまで持ち出したりしなければならない大事になってしまったというわけだ。
ザ・海外旅行のようなこの出来事。
今回の一件で身に染みた教訓、それは・・・やはり英語を勉強するべきだ、という事だった。
こうして、姉マウスキーは、バスルームのシャワーの管についているボタンを、ストロング・プッシュする事で無事にシャワーを浴びる事が出来たという事である。
※ちなみに、風呂に関してはマウスキーもmarikyoさんも何一つと困る事なく、最初からストロング・プッシュをして使用していたようだ。
こうして、無事にお風呂を終える事が出来て一日目を終えた。
ちなみに、これ等の事は姉マウスキーが一人で密かに大騒ぎしていたらしく、Tさんは一体何を騒いでいるのか皆目わかっていなかったようである。
とりあえず、これで、やっとの事で観光が始まる──。
翌日は、9:00出発と取り決められた。
つづく。
ストロングプッシュ!
返信削除最高。面白いですね!
姉マウスキーから聞いた時は、もはや爆笑でした。
削除今度から強く押す必要がある時は、「そこはストロング・プッシュせないけんで」と言うのもしゃれているかもしれませんね!