ロッテ・ワールド・ホテルは、ロット・ワールドに隣接しているホテルで、部屋からの眺めはとても賑やかなものであった。
部屋の窓からの景観。 ロッテワールドと書いてあるのが見える。 |
こんなバージョンも。 |
こんな角度からの撮影もある。 |
どうやら、みんなで嬉しげに「ロッテワールドホテル」と書いてある屋上の撮影をしていたというわけだ。
何が嬉しいのか分からないのだが、旅行とは、なんて事のないものが価値ある物に見えるものである。
ロッテワールドホテルも見えた。 |
そんな風にロッテワールドホテルの屋上を眺めていた我々4人。
気が付けば、9時出発の予定だったのに、全員が普通に何となく遅れてしまい、9時半出発になってしまった。
まぁ、急ぐわけでもない。
そんな事もあるさ。
朝ごはんをまだ食べていなかったので、言葉が分からなくても安心できるスタバを探し、そこで食べる事に決めた。
特に、何事もなくスタバは見つける事が出来た。
名指し注文と、「これ」程度の韓国語を喋って、特に何の問題もなく朝食をゲットした。
本当に、何も問題はなく、コーヒーカップが大きいとか思っている程度の事しかなかった。
ところがである──。
ここにきて、まさかのTさんが、「タンブラーを買って来る」と言い出したのだ。
これは、マウスキーの記憶にも焼き付いているのだが、正直、無謀だと思った。
日本でスタバのタンブラーを買うのも、何となくちょっと緊張するというのに、言葉も通じない韓国という地で、無事にスタバのタンブラーが手に入れられるわけがない!
だが、Tさんの決意は固かったようだ。
彼女は立ち上がると、恐れを知らぬ姿勢でレジの方向へと向かっていったのである。
大きなリスクを抱えてまで、スタバのタンブラーを欲したりはしないマウスキーにとって、こんな命知らずな行動を取るとは信じられなかった。
席に取り残された、マウスキーと、姉マウスキーと、marikyoさんは、「本当にタンブラーを買うのかな」と、話し合いながら、Tさんの帰りを待った。
しばらくして、Tさんはポーカーフェイスでぶらっと我々が待っている席へ戻ってきた。
そして、席に着席するやいなや、「参ったで」と口を開き、机の上に豪華絢爛に装飾されたタンブラーをコトンと静かに置いた。
何故、スタバのタンブラーが、華やかに彩られ、装飾されていたのかは、この時の時点ではあまり詳しい事情を結局知らなかったと思う。
韓国では、通常の包装スタイルが派手なのかもしれないと思う程度だったのだが、実はそんなものではなかったらしい。
どうやら、Tさんはお目当てのタンブラーを手にレジへと向かったのだが、「ご自宅用ですか? ご自分用ですか?」と、聞いてきた店員さんにより、順調な道筋を絶たれようだった。
何せ、英語と韓国語が喋れないばかりか、相手の店員さんも韓国語オンリーだったので、「自分用です」と伝えるだけでも、相当難易度の高いコミュニケーションとなってしまったのである。
とりあえず、力の限り、思いつく限りのジェスチャーを駆使して、Tさんは「自分用です」と一生懸命にレジの人に伝えた。
その熱意と、表情豊かなジェスチャーを見た店員さんは、きっと「力いっぱいのデコレーションの入用なプレゼントなのだろう」と、解釈をしてしまったようだ。
彼女は、自分が持てるデコレーション力のすべてを、そのスタバのタンブラーに注いでくれたのだろう。
その結果、自分用に持っているには、ちょっと恥ずかしいほどきらびやかに装飾されたタンブラーが出来上がってしまったというわけだ。
正直、マウスキーたちは、あまりにもTさんがポーカーフェイスだったので、そのような力いっぱいのジェスチャーのやり取りがあったとは欠片も思わなかった。
そんなわけで、スタバで朝食を終えた後、Tさんは素敵豪華なタンブラーを鞄に収納し、その日一日持ち歩き続ける事となったのである。
つづく。
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