2017年4月25日火曜日

韓国旅行記 - その7「ロッテ免税店をさまよう大量のキムチ」

さて、二組に別れた後、marikyoさんは大量のお土産を買うため、念入りに店を回り始めた。

ちなみに、マウスキーはお土産を買う予定は、なかった。
今から思えば、なんて奴だろうと思うのだが、お土産に買いたいと思っていたものはお茶などの類だったので、理想に合うものがなければ、買う気がしなかったのである。

妥協して社交儀礼のためにお土産を買ってこその大人なのだが、未熟なマウスキーはその域に達していなかった。

その分、marikyoさんは人付き合いに関してはスキルが格段に高かったらしく、仕事場の人たちに韓国土産に何が欲しいかをリサーチしており「お土産に欲しい物リスト」まで作って持って来ていた。

大体、韓国のりとキムチが欲しいという人が殆どだった。

そんな定番の物ならば、簡単に手に入りそうだったのだが、意外と色々な種類があるので、思ったよりも時間がかかってしまった。

そんな時である。

「お土産にいいキムチですよ!」と、大きな声でお店のおばさんが声をかけてきたのだ。
そして、積極的に、「このキムチは少量ずつパックされているから、お土産にしやすいし、保存もしやすい」と、随分と推してきたのだ。

確かに、小分けにパックされているのは、とても便利だし、色々な種類のキムチもあったので、marikyoさんは完全にここのお店がお土産のキムチを購入する事に決めたようだ。

そんな盛り上がっている我々の背後から、「うちのキムチも見てください・・・」と、体と声の細いおばさんが一生懸命に言っていたのが気になったが、申し訳ないほどそこのお店で買えそうなキムチは一つとしてなかった。

marikyoさんは、そのか細いおばさんに背中を向けると、キムチの精算を終えた。

キムチを購入した店の店員さんは会計を済ませると、「泊まっているところはどこ?」と、聞いてきた。

marikyoさんは、「ロッテワールドホテルです」と答える。
すると、「何号室? 部屋まで届けるサービスがあるわよ!」と、言ってくれたのだ。

なんて便利なサービスがあるのだろう!

そちらを利用すれば、重たいキムチを持ち歩く必要がないのである。

marikyoさんは、「ぜひお願いします」と頼み、部屋番号などを渡した。

すると、おばさんは、何となく頼りなさそうなぼーっとしたお兄さんを呼び、韓国語で大声で喋りながら、marikyoさんのキムチを渡した。
これを部屋まで届けろ、というような会話だったのだろう。

ところがである。

キムチを届けようにも、部屋番号がどうも一致しなかったらしく、頼りなさそうなお兄さんと店員のおばさんは、とにかく大声で叫んで揉め始めてしまった。

様子を見ていたmarikyoさんは、「もういいです、自分で持って帰るんで」と言いながら、自分の購入したキムチに手を差し伸べたのた。
しかし、ぼーっとしたお兄さんは、しっかとmarikyoさんのキムチの袋を握りしめ、放さないとくる。

そして、「サービスカウンターに聞いてみるので、こちらについて来て下さい!」と言い、そのぼーっとした顔からは想像が出来ないような速さで歩き出したのだ。

コンパスが短いmarikyoさんと、マウスキーは、小走りで彼と、キムチの詰まった袋を追いかけまわさなければならない羽目となった。

見失わないように必死にサービスカウンターまで追いかけると、そのお兄さんは、キムチを届けたい部屋番号の事などで問い合わせをしてくれた。

そして、判明した事は、部屋番号が存在しない、という事だった。

一体、どういう事なのだろう・・・・?

そこで、marikyoさんは泊まっているホテルの名前を再々聞かれた時に、「ロッテ・ワールド・ホテルです」と、答えた。

それを聞いたお兄さんは、「ロッテ・ホテルじゃないんですか? 送り届けるサービスはロッテ・ホテルしかしてないんですよ・・・」と、申し訳なさそうに言ったのである。

10分以上にわたって小走りで追いかけさせた後の、ポカン顔をするお兄さん。

もういい、何でもいいから、とにかく大金をはたいて手に入れた大量のキムチを返してくれ・・・。

だが、お兄さんは悪くない。

店のおばさんが、完全にロッテ・ワールド・ホテルを、ロッテ・ホテルだと聞き間違えて、彼に間違った情報を伝えたのだから・・・。

そんなわけで、marikyoさんは10分以上の時間を経て、やっとの事で、その両腕にキムチの詰まった袋を取り戻す事が出来たのである。

当然、全てが終わった後、我らは疲れきっていた。とりあえず、ホテルに戻りたい、そんな気持ちだ。

姉マウスキーとTさんたちは、美味しそうな韓国のりを見つけたという事で、順調に買い物を済ませる事が出来たらしい。

本当に疲れた、疲れたのだが・・・ホテルに戻った後、どうしようもない衝動がマウスキーとmarikyoさんの胸に沸き起こってきた。

酒が飲みたい──。

そして、再び、酒を求め、力を振り絞って夜の街へと再度駆り出したのであった。

つづく。

2 件のコメント:

  1. 一泊二日の旅行の1日目とは思えないエピソードの数々…まだ初日は終わらないのですね。
    次回が楽しみです。

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    1. ありがとうございます!
      サクサクッと書き終わせようと思っているのですが・・・書いてみると、思ったより時間がかかるものですね・・・。
      今日と明日の次から、やっと観光の事が書けると思います!

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